Blog日記

陰影礼賛

梅雨入りして、時折小雨が降る6月の週末に鎌倉に住む大学時代の恩師を訪ねました。

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やはり先生のお住まいは素敵です。

先生は大学で教鞭もとってらっしゃいますが、現役建築家でもあります。

勿論おすまいは自身の設計であります。

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先生は最近庭にも興味が出てきて、植木屋さんと一緒に庭の手入れを凝ってされているとのこと。

この日も庭先のねむの木に虫がついたとのことで急きょ植木屋さんに来てもらい殺虫剤をまいてもらっていました。

この軒先には5月の連休の頃は藤棚が見事だったとのことで、今は奥に竹がうっそうと繁っていました。(木があるとお隣の家の窓が全く気になりません。)

 

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夕暮れ時の室内で、ジントニックで乾杯しました。

 

中と外が呼応しあっていて、素直に“日本人でよかったなあ”と思える空間です。

昔ヨーロッパを2週間位旅をしていたときに、すばらしい建築や街区に興奮して歩き回っていたのですが、急に街に押しつぶされるような強迫観念に襲われたことがあります。

ヨーロッパの街にとって多くのすまいとは、外敵や厳しい自然環境から身を守るのが第一であるようで、外を拒絶して建っているように思います。

(島国でそれ程気候が厳しくない我が国とはすまいの根本の目的が違うように思います。)

私達日本人のすまいは外と中が溶け合ってこそ完結するすまいであったのです。前は。

そうした感性を刺激するすまいを、これからもお客さんとつくっていきたいと思います。